あなたは「ワンオペ」という言葉を聞いてなにを思いますか?
・忙しそう…大変そう
・ブラックでしょ…
・私はやりたくない…
・それに見合ったお金なら…
なにか…ネガティブなイメージがわきませんか?^^;
子育ての場でも、育児、家事、仕事を一手に引き受けている状況やスタートアップのオーナー、ひとり社長などが経営全般をひとりでこなすシチュエーションなどを連想された方もいたかもしれません。
「ワンオペ」という表現は、実際には飲食業界だけでなく、多岐にわたる業務や状況に対して用いられます。しかし、一部メディアによって、飲食チェーン店の深夜のひとり営業に関連してこの言葉が取り上げられたため、そのようなイメージが根強く残っているのかもしれません。
ワンオペの可能性
今後、ワンオペの概念は変わる可能性があります。
つい最近も「ワンオペ」にスポットをあてた飲食店の特集番組が放送されていましたが
ご覧になられましたか?
紹介されていた料理はどれも美味しそうで、食べてみたい!行ってみたい!と思えるものばかりでした。さらに、一人で対応しているとは思えないほどの見事な接客と、とことん突き詰められた超!効率的なオペレーションや調理工程が印象的でした。

テクノロジーや社会の変化が後押し
いまやセルフレジやタブレットオーダー、キャッシュレス決済などの普及によって、一段とワンオペの負担が軽減されています。
さらに、コロナ禍以降の行動の変化により、宴会需要が減少し、個人客や少人数での来店が増え、そこにターゲットを絞るというのも大切な戦略です。
私自身も無意識のうちに大人数での集まりを避ける(またはそのような場ではマスクをする)か、個人または少人数での行動がすっかり身についてしまったように感じます。
このような行動の変化を捉え、飲食店様側も大きなテーブルを減らし、少人数に対応できる席配置や個人客や少人数向けのメニューを充実させるなど、飲食店やその他の業界も、この変化への対応を求められているのではないかと思います。

ワンオペ飲食店の魅力
ひとりだけの人件費というのは大きな魅力のひとつです。
全体の経営コストが抑えられ、利益率が向上します。
経営コストが低い分、価格設定に余裕ができるため、リーズナブルな価格で提供することも可能です。
飲食店の重要な指標として「FL値」があります。
FL値とは「Food and Labor Cost」の略で、食材費と人件費の合計を売上高で割った値のこと。
L(Labor Cost: 人件費)を抑えることで、F(Food Cost: 食材費)により多くの予算を割り当てることができますよね!
高品質な食材が使えることで、顧客満足度やお店のブランドイメージの向上にもつながります!
また、ひとりで多くの業務をこなすことで、責任感が養われ、様々な業務に対応するため、短期間で多くのスキルを習得でき、お客様との信頼関係も築きやすくなります。
・・・というのは簡単ですが、もちろんその反面も・・
一歩、間違えれば長時間労働です。
休憩の取りにくさが過労につながることもあります。
忙しい時間帯には、サービスの質が低下する可能性もあります。
決して簡単ではありません。
だからこそ、そこが最大の魅力なのかもしれません。
だからこそ、突き抜ける。
なにかに特化するということは、同時に何かを捨てることを意味します。
それは、「選択と集中」でなければ成り立ちません。
シンプルだけれども一貫性のあるサービスに徹する。
サービスよりも料理のクオリティにとことんこだわる。
うちはこの味一本で勝負する。など
ワンオペという制限の中で最大限に効率を求めることで、
必然的にお店のコンセプトや強みなどが明確になってくるのではないでしょうか。
お店独自の魅力が明確にお客様に伝わりやすく、ひとを引き付ける強烈なインパクトになります。

最後に
少し、極端な例だったかもしれませんm(__)m
なにも「ひとり」という最小単位まで絞ることはないのですが、
飲食店を経営するうえで、結果的にひとりになってしまった、ひとり、ふたりと削らざるを得なくなってしまう可能性もいずれやってくるかもしれません。
現状を見据えると…
食材費の高騰、客単価の減少、そして最低賃金の引き上げといった課題が山積しています。
いまのままでは事態は好転しないはずです。
現状維持は決して選択肢ではありません。
いまこそ、行動を。
小さな一歩から。
その一歩が、明日を変える大きな一歩です。
わたしたち中島屋酒店も明日を変える一歩を、共に歩み出しています。

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飲食は明日への活力
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