ウイスキーの知られざる存在、ボトラーズの世界へようこそ♪
ウイスキーの魅力にハマり
様々なウイスキーと出会っていくにつれ
ボトラーズウイスキーにたどり着く。
はじめてボトラーズに触れる機会というのは、そんなイメージでしょうか
→潜在能力を引き出す存在。 ボトラーズに関する前回のブログはこちら
現在流通しているスコッチウイスキーは、
実はオフィシャルボトルよりボトラーズウイスキーの方がはるかに多いという事実をご存じですか?
”ひとつの商品の供給量”はオフィシャルボトルに大きく劣りますが、
”商品の種類”においてはボトラーズウイスキーのほうが豊富なのです。
たくさんありすぎてもわからなくなりますよね。
いったいどんなボトラーズブランドがあるのか、人気の高いブランド6社をご紹介します。
ゴードン&マクファイル社(Gordon & Macphail)
世界で最も知名度の高いボトラーズといっても過言ではありません。
初めてボトラーズウイスキーを購入するという方へもおすすめです。
1895年に創業した最も歴史の古い老舗のひとつ。
創業当時から、ザ・グレンリベット、マッカラン、ストラスアイラ、リンクウッド、ロングモーンなどといった名だたる蒸溜所と深い関係にあったと言われています。
80を超える蒸溜所のシングルモルトを保有し、原酒の数はヨーロッパの中でも圧倒的保有量を誇ります。
無名蒸留所や既に閉鎖されたもの、更にはオフィシャルにリリースされていないアイテムまで、幅広いラインアップとその安定した高い品質に絶大な信頼が寄せられています。
しかしながら、昨年大きな発表が…
今年から新たな樽の買い付けは行わず、現ストックのみを販売していくとの発表がありました。
スペイサイドのベンロマック蒸留所と新しくオープンしたケアン蒸留所。
この2つの自社蒸留所の生産に集中するようです。
そうは言っても、ストックはまだまだたくさんあるそうなので、
今後数十年ほどは商品供給されるそうです。
さすが最大手です…(゚Д゚;)
価値はさらに高まっていくのでしょうか…
いままさにボトラーズの歴史がまたひとつ終わろうとしています。
ロングモーン
2008
GM蒸留所ラベル
ゴードン&マクファイル社を代表する
「蒸留所ラベル」
ゴードン&マクファイル社を代表する「蒸留所ラベル」は、各蒸留所の樽を購入するのではなく、自社で用意した樽に蒸留所でニュースピリッツを詰めてもらい、蒸留所で熟成を経た後、独自のクオリティコントロールを行い独自のラベルでボトリングするというライセンスが与えられた、他社にはできないGM社ならではのものです。
ロングモーンの代名詞ともいえる、たっぷりとしたシェリー樽熟成の風味を存分に味わえる伝統の1本。
グレンバーギー
1990 31年
コニサーズチョイス
ゴードン&マクファイル社のレンジの中で別格酒質と評価を誇る「コニサーズチョイス カスクストレングス」シリーズ。
長期熟成を経たごく一部のハイクオリティ原酒にのみ許される木箱入りのスペシャルアイテム。
「グレンバーギー」はバランタインに欠かすことのできない原酒として名高く、オフィシャル品でも18年熟成品までは見つけることができましたが、こちらは1990ビンテージ・31年熟成のシングルカスク・カスクストレングス。
エリクサーディスティラーズ
The Whisky Exchange(ウイスキーエクスチェンジ)社を親会社とする1999年ロンドンに誕生したボトラー部門スペシャリティドリンクスが2017年に、新社名エリクサーディスティラーズに変更となり誕生しました。
親会社であるThe Whisky Exchange社は、ウイスキー専門オンラインショップの草分け的存在でもあり、過去にはウィスキーマガジン主催のアイコンズ・オブ・ウィスキーにおいて3年連続オンラインショップ部門でリテイラー・オブ・ザ・イヤーも獲得しています。
ウイスキーだけでなく、ラムやテキーラなどのスピリッツ類も扱っています。
美的なデザインと個性的なスピリッツを組み合わせることを追求しているボトラーズ!
世界に新しい飲み物を送り出そうとする情熱で、期待を裏切らない高品質ブランド。
「エレメンツオブアイラ」、「ダンカンテイラー オクタブ」「ザ・シングルモルツ・オブ・スコットランド」などが代表的なシリーズになっています。
エレメンツオブアイラ
シェリーカスク
スコットランドのアイラ島でつくられるシングルモルトのみをブレンドし、ノンチルフィルター、ノンカラーリングでボトリングしたスモーキーなブレンデッドモルトのシリーズ。
シェリーカスクはファーストフィルとリフィルのシェリーバットおよびホグスヘッドで熟成した原酒をブレンドしたボトリング。
熟した果実を思わせる豊かな甘さと馨しいピートスモークが織りなす複雑な味わいが特徴で、多層に渡るフレーバーのレイヤーをお楽しみいただけます。
ダンカンテイラー
オクタブ
ラフロイグ2011
ダンカンテイラー・オクタブシリーズはシェリー酒の空き樽を組み替えた容量50Lほどの小樽(オクタブ)で半年から1年ほど追加の熟成を行ったシリーズ。
オクタブで4ヵ月追熟した12年熟成です。アウトターンは84本のみ。海のニュアンスを含んだピートスモークとフルーツが調和したすばらしいシングルカスクです。ラフロイグは近年、蒸溜所名を伏せてボトラーズからリリースされることが多い中で、蒸溜所名の公表が許されたダンカンテイラーの調達力を物語るボトリングです。
タグラスレイン
1948年にスコットランド西部にある港湾都市グラスゴーで設立されました。
前身となる会社はアメリカを主な取引先とする海運業者でしたが、ブレンデッド・ウイスキーの需要が爆発的に高まった背景から、スコッチウイスキーの輸出業に進出。その時のストックを原点として、ダグラスレイン社の歴史が始まっています。
ブレンデッドウイスキーの生産者としての一面を持つ彼らは、シングルモルトとしての基準に満たない樽は全てブレンデッドウイスキーへ回し、品質に妥協しないリリースを続けてきました。
同社は2013年に分社をして、弟のフレッド・レイン氏が「ダグラスレイン」という会社名を引き継ぎ、現在では娘のキャラ・レイン氏と共に同社を盛り立てています。
ブレンダーとしての経験を大いに生かし、「ビッグピート」を始めとする革新的なエリア別ブレンデッドモルト、「リマーカブルリージョナルシリーズ」をリリースするなど、意欲的なリリースを続けています。
リマーカブル
リージョナルシリーズ
ビッグピート
アードベック・カリラ・ボウモア・
ポートエレン蒸留所4つの原酒を使用!
既に閉鎖されたポートエレン、ボトラーズからのリリースがほぼ絶えてしまったアードベッグの原酒を含む贅沢なアイラ・ブレンデッド・モルト。
BIG PEAT(ふんだんなピート)とBig Pete(ピートおじさん)をかけたジョーク交じりの言葉遊びを表現するため、地元アイラ島のおじさんをイメージしたインパクトのあるイラストが採用されています。
リマーカブル
リージョナルシリーズ
スカリーワグ
マッカラン・モートラック・グレンロセス・その他スペイサイド蒸留所の原酒使用!
愛くるしい犬の仕草などを表す際に使う「スウィート」という言葉と本来の意味である「甘い」という言葉を重ねて、軽やかで、どこか気持ちを陽気にさせてくれる、上質な甘みが特徴のモルトウイスキー。
マッカラン、モートラック、グレンロセスといったシェリー樽熟成を経た際に最大限の魅力を発揮する原酒が中心にブレンドされています。
ハンターレイン
2013年、上記のダグラスレイン社を支えてきた2人の兄弟が、それぞれの後継者のために会社を分けました。
兄であるスチュワート・レイン氏が立ち上げたのが「ハンターレイン社」になります。
それまでダグラスレイン社のメインシリーズであった「オールド・モルト・カスク」シリーズなどはスチュワート氏が引き継ぎ、変わらない高い品質でウイスキーラバーを魅了しています。
ハンターレイン社が所有している樽は、元々ダグラスレイン社が所有していた樽でもあり、その品質・豊富な在庫は引けを取りません。
このようなボトラーズの歴史を辿ってみると、ダグラスレイン社とハンターレイン社の飲み比べも面白そうですよね(^^
スカラバス10年
アイラシングルモルト
蒸留所は明かされていない
アイラ島のシングルモルトウイスキー。
最低10年以上の原酒から構成され、熟成からくる、より複雑な香味を堪能できる逸品です。
甘いピートとスモーク感がより一層感じることができます。
ピートスモークやレザー、メンソールのとびきりリッチで大地を感じる香り。
とろりと滴るゴールデンシロップがそれらを優しく包み、まろやかで魅力的な長いフィニッシュへと続く。
カリラ 32年 ザ・キンシップ
1991年
アードナッホー蒸留所建設記念として誕生したハンターレイン社のプレミアムモルトシリーズ「ザ・キンシップ」。
貴重なウイスキーの樽在庫の中からジム・マッキュワン氏が自らの手で選別した樽をカスクストレングスでボトリング。
もちろんノンチル・ノンカラー。しかもジム・マッキュワン氏のサイン入りで各ラベルにはナンバリングも施されています。
キングスバリー
スコットランド・アバディーンにて設立。
1989年からシングルモルトのボトリングを開始し、現在ではエジンバラを本拠としています。
早くからシングルモルトの魅力や可能性を見出し、樽の選定やシングルカスクという概念、当時流行していたチルフィルタレーション(冷却ろ過)を使用しないなど、強いこだわりを頑なに守ったリリースを続けてきました。
その結果、数々の伝説となるボトルやシングルモルトを世に送り出し、ボトラーズとしての確固たる地位を確立しています。
キングスバーンズ ドゥーコット
バーボンバレル原酒とSTRカスク原酒を9:1の割合でブレンドし、複雑でバランスの取れた味わいを表現した同蒸溜所のフラグシップシングルモルト。
色は輝きのあるゴールド。香りはバナナケーキや華やかなフルーツのアロマにブラウンシュガーやトフィが混ざり合い、落ち着気を感じる甘いアロマが広がります。口に含むと柔らかで、味わいはパイナップルのシロップ、サマーベリー、マジパン。ルバーブの爽やかな味わいがフルーティな味わいをより一層引き立て、フィニッシュにかけてキウイフルーツやシトラスが加わります。
カリラ 35年
キングスバリー
サーオビール
「サー オビール」とは「貴重な、稀少な」という意味。
若いころに見せる荒々しさと、時に猛々しいまでの煙臭は、わかりやすくインパクトあるアイラモルトの美点ではありますが、30年を超える上質のアイラモルトには、奥底から湧き上がってくる深みある香りと、幾重にも重なるどこか品のある重層的味わいが生まれます。全く別物と言ってもいい一つ上の段階に上がるために必要なのが30年という時間なのかもしれません。
シグナトリー
シグナトリー・ヴィンテージ・スコッチ・ウイスキー社はスコットランド・エジンバラで1988年に創業。
シングルモルトウィスキーの魅力に取りつかれたアンドリューはエジンバラのホテルマンからの転身を遂げ、その兄弟であるブライアンと設立しました。
初期の商品は” S ”の装飾文字とボトル下部が寸胴形状のダンピーボトルが特徴的でした。
入手出来る限りの蒸留所のシングルモルトを瓶詰めしており、膨大なモルトストックが有名です。
2002年にスコットランドで1番小さな蒸留所として知られるエドラダワー蒸留所のオーナーにもなっています。2007年11月以降のボトリングはエジンバラを引き払い、全てエドラダワー蒸留所にて行われています。
カリラ8年
2011
シグナトリーヴィンテージ
ジョニーウォーカーのキーモルトとして知られるカリラ。
以前はシングルモルトとしての流通が非常に少なく希少でした。 ピートとヨード香が強いアイラモルトらしい味わい。
アイラらしいスモーキーフレーバー、 軽やかな口当たり、糖蜜の甘味はラフロイグともラガヴーリンとも違う唯一無二の風味です。
カリラ9年
2011
シグナトリーヴィンテージ
ジョニーウォーカーのキーモルトとして知られるカリラ。
シグナトリーヴィンテージ・アンチルフィルタード・コレクションシリーズ。
冷却濾過を行わず、アルコール46度に加水、蒸留所の個性を崩す事無く、高品質でコスパの高い人気シリーズです。
付加価値を追求する
とても全てのボトラーズをご紹介しきれませんが、
まだまだご紹介したいボトラーズがたくさんあります。
もっとウイスキーの世界を深く知ってみたいという方はぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。
蒸溜所の中には、まだ規模が小さく、ブランドイメージが出来上がっていないので、
オフィシャルボトルを販売しても売れない蒸溜所もあります。
ボトラーズはこのような蒸溜所からも原酒を買い取り、瓶詰して販売なども行っています。
蒸溜所にとってはボトラーズに原酒を買い取ってもらった上に、ボトラーズの商品に名前(蒸溜所名)が載ることで知名度の向上にもつながるといったメリットもあります。
オフィシャルにはできない。
ボトラーズだからこそできること。
ウイスキーの付加価値を追求するボトラーズを少しでも知っていただけると嬉しいです。
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飲食は明日への活力
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